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内視鏡でできる

胃・大腸手術のご案内

当院でできる早期がん・ポリープの治療

大腸ポリープ(がんになる前の初期段階)は、数年にかけて大腸がんに進行することがわかっています。内視鏡による手術は、早期がん治療としてテレビでも放送され、認知度も高まりました。最近では、検査嫌いで健康診断を受けない方も増えているようですが、定期検診で病変の早期発見ができれば、発見と同時に切除すればほぼ100%治すことができますし、費用や肉体的な負担もずっと軽くなります。

無痛で費用数万円とも言われ、高齢の患者さんでも翌日の退院ができるなど、「ガン手術は大変」という昔のイメージから大きく改善されました。実際に内視鏡による手術とはどのような治療かの、流れをご説明します。

腫瘍の深さによっては外科的手術が必要になりますので、内視鏡スコープで十分に診察してからの判断になります。

ポリペクトミー手術
ポリペクトミー手術
内視鏡下ポリープ切除術​

しっかりした茎を持つポリープが見つかった場合は、茎の部分に、内視鏡の先端からスネアという通電ワイヤを引っ掛けて焼き切ります。一回で取り切れない大きなポリープ(25mm~)は、複数回ポリペクトミーを行います。通院にて処置可能です。

ポリープ・早期がんを内視鏡で発見

針金で作った輪をかけます

輪を締め付けます

輪を締めて高周波電流で切り取ります。この時痛みは感じません

手術は終了です
最後に切り取った病変部は病理組織学的に検索するので回収します

EMR手術
EMR手術
内視鏡下粘膜切除術

平坦な腫瘍が見つかった場合はスネアでつまんでとろうとすると、どうしても深い潰瘍ができるため、隆起させるために粘膜下に生理食塩水等を注入し、スネアを使って切除します。とくに大腸は、胃と比較しても壁がたいへん薄いため、腸壁の損傷が強くなります。一括してとれない大きさのときは何回かに分けて分割切除します。病変の具合によっては入院が必要です。

ポリープ・早期がんを内視鏡で発見

食塩水を注射して持ち上げます

針金で作った輪をかけます

輪を締めて高周波電流で切り取ります。この時痛みは感じません

手術は終了です
最後に切り取った病変部は病理組織学的に検索するので回収します

ESD手術
ESD手術
内視鏡下粘膜下剥離術

平坦な腫瘍や大きな病変が見つかった時は、範囲をマークし、その範囲を含んで広めにひとつのブロックとして切除できることで、病変を確実に取り除くとともに、内視鏡治療で完全治癒できたかどうかを正確に判断することができます。
言葉のとおり、内視鏡で粘膜下組織を剥離し、平坦な腫瘍を一括してとります。特に壁が厚い胃の平坦性病変では、標準治療となりつつあります。ただし大腸は壁が薄いので、気をつけないと腸壁に穴が開き、腹膜炎になります。腸の内腔は狭く屈曲しているので、胃よりもさらに技術的に難しい処置なので医療者の技術習得に時間を要します。適応になる病変が少なく、穿孔などの合併症が多い、時間がかかる、と現状では標準治療となるにはまだまだ問題があります。手術には入院が必要です。

ポリープ・早期がんを内視鏡で発見。
(図はポリープを真上から見たイメージです)

マーキング
腫瘍を確実に切り取るために病変の周囲に目印をつけます

食塩水を注射して持ち上げます
(図はポリープを横から見たイメージです)

穴の部分から、マーキングした部分を取り残さないように腫瘍部分を削いでいくような状態で切っていきます。
全周をカットすることで一括で切除する範囲の決定となります。
(図はポリープを横から見たイメージです)

手術は終了です
最後に切り取った病変部は病理組織学的に検索するので回収します

内視鏡手術の注意点

ポリペクトミーは外科的に開腹することもなく、痛みもない為、すぐに終わる手術ではありますが、病変部を切除することには変わりありません。ポリープの大きさ・形・ポリープ内の血管性状などによっては、まれに予期せぬ合併症を起こすこともあります。

基本的に日帰りでポリープ切除を行っていますが、あくまで小さく・数が少ないポリープを対象とし、出血などの合併症が生じないよう、また生じた場合でもすぐに対処・治療できるよう、生活制限が厳守できる方が対象となります。 それ以外の方は2~3日の入院が必要となります。 場合によっては外科的手術(開腹手術)が必要になることもありますので、合併症を防ぐ為にも下記の事にご注意いただく必要があります。
 

  • ポリープや粘膜を切除した場所には、電気熱による傷ができます。傷が治るのには2~3週間かかりますので、この間は腹圧のかかるような激しい運動や遠出は控えてください。

  • 消化の悪い食べ物(肉類や脂っこい物等)は避けましょう。
     

  • お酒や刺激物、香辛料、タバコなども血管が拡張して、出血する可能性がありますので、少なくとも2週間は禁止して頂く必要があります。
     

  • 血液をさらさらにするお薬(ワーファリンやパナルジンなど)を内服されている方は数日間中止していただきます。
    係りつけの先生に手紙をお渡しますので、御相談いただき返事をお持ち下さい。(内服の再開は退院時までにお知らせします)

切除したポリープは病理検査で調べるため検査結果が出るまで約2~3週間かかります。

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